*住宅金融機構RMBS、下限利率で乗り切る 国債金利急低下で

DealWatch Debt Structured Finance
*住宅金融機構RMBS、下限利率で乗り切る 国債金利急低下で
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*3月17日19時1分に配信した記事を再送します。 

  発行体(回号)     裏付  発行額 表面 発行 スプレッド  最終   主幹事         
                        資産  (億円) 利率 価格  (bp)    償還                  
■   3月17日 金曜日   --------------------------------------------------------
住宅金融支援機構(191)  住宅ローン  885 0.95% 100*T369+65  58/4/10 みずほ/        
  (AAA:R&I/AAA(sf):S&P)   債権                                 SMBC日興/大和  

 
住宅金融支援機構RMBSは下限利率を設定して実質的には絶対値プライシングで条件決定した。ベンチマークとなる10年国債金利が急低下して投資家の関心はスプレッドよりも絶対値に向く中、マーケティングでは下限利率に幅を持たせて投資家の目線を丁寧に探り、市場の変化を乗り切った。

マーケティング・レンジの推移は以下のとおり(左:国債対比スプレッド、単位はbp。右:下限利率、単位は%。かっこ内は発行予定額、単位は億円)。

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┃2日     │プレヒアリング(800~900程度) ┃
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┃13日    │ソフトヒアリング               ┃
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┃14日    │ソフトヒアリング(885)          ┃
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┃15日    │+59/0.90~1.00          ┃
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┃16日午前│+59/0.95~1.00          ┃
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┃    午後│+59/0.95                ┃
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10年国債金利は前回の2月16日前後は0.5%前後で推移していたが、3月10日に入って急低下し、足元では0.27~0.30%前後で推移している。前回債はスプレッドが国債+59bp、利率は1.09%を付けていた。

機構RMBSは基本的にはスプレッド・プライシングで条件決定する。ただ国債金利が急低下する中で投資家の関心はスプレッドよりも絶対値に集まった。ソフトヒアリングで主幹事は、前回債を踏襲した国債+50bp台後半というガイダンスを提示したものの、投資家からは1%の利率確保を求める声が上がっていた。

主幹事は前回債と同じ国債+59bpのマーケティング・レンジを設定する一方、絶対値の居所を警戒する投資家に配慮する形で0.90~1.00%というレンジの形で下限利率を示して、目線となる絶対値の水準を探った。オーダーは、成行札とレンジの上限の指値に大きく分かれたことから、主幹事はレンジの上と下を切ってほぼ真ん中である0.95%に絞り込んだ。最終的には下限利率が適用された。

主幹事は発行額対比の需要倍率を公表していないが「2月と大きな変化はなかった」(主幹事)という。投資家の業態では損保と地方公的以外の全てが参加している。中央投資家と地方投資家の比率は配分額ベースで約6対4だった。

 
                                       (福井 康典 DealWatch / Refinitiv)

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